「さむっ・・・さむ~!!」
「はいはい、だからコタツ出すよ!ほら手伝って!」
「え~~」
「はいっ、せーの!」
「よいしょっよいっしょっ」
「はいはい、だからコタツ出すよ!ほら手伝って!」
「え~~」
「はいっ、せーの!」
「よいしょっよいっしょっ」
部屋のちょうどよさそうな場所に置いて、ぱんぱん、と手のひらの埃を払うように叩く。
部屋の奥から布団を持ったおとうさんが出て来た。
「あぁ~っ!こっちこっち!いま天板持ってるから、ここに乗っけて!」
「え、こう?どう??ナナメにしたほうがカッコイイ?」
「そんなんどーでもいいから!天板重たいんだからとっとと乗っけて!」
「はいはい~」
「あれ、ミカンは~?」
「奥奥!キッチンの下んとこ!段ボールにない?!」
「あ~、あった~」
「もう、ミカンなんていつだっていいでしょうよ」
とは言え、テーブルのうえに置いたミカン。
「うしっ、どう!?」
やっぱりコレがあるのとないのとでは全然違った。
「ミカンも冬のインテリアのひとつね」
さぁ本格的な冬。ことしもコタツでミカン、冬を過ごすぞ。
11月3日はみかんの日!みかんの日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–