ずーっと遠くにある背中との距離は、ずっと縮まることがない。
追っかけてるんだけど、当然ながら向こうも同じスピードで歩いてる訳で。
時々近づけたような気がするけど、やっぱり距離は近づかなくて。
どうにもこうにも、追いつけない。
自分が相手に追いつくのに一番確実なのは、相手が歩くのを辞めるのを待つことだけ。
いつからかそんな保守的な考えが浮かぶようになって。
結局ただの持久戦と言えばそうなのかもしれないけど。
飽き性の私には、これがなかなか難しい。
延々と終わらない耐久レースみたいな。
どこまでも歩いてって、いつか、キミが歩くのを辞めるのを見守るまで。
10月4日は徒歩の日!徒歩の日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–