『一月の十七日だ。来年の今月今夜になつたならば、僕の涙で必ず月は曇らして見せるから、月が……月が……月が……曇つたらば、宮さん、貫一は何処かでお前を恨んで、今夜のやうに泣いてゐると思つてくれ』
小説「金色夜叉」の有名な一文だ。
尾崎紅葉が書いた明治時代の代表的な小説だが、執筆中に作者が死亡したため未完成。
「なんか、さめざめと女々しく泣いてる男の姿がありありと想像出来るな」
と言うのは先日彼氏を振った姉。
「あー、わかるわかる。男って口に出さないくせにいつまでも誰かのこと思ってたりするよね。」
と言うのは彼氏と現在進行形でラブラブの姉その二。
「勝手に自己完結しても困るよねぇ。大事なこと言わなきゃなんも伝わらないし。」
2人の姉の姿を見つつ、無関係を装う私。
「男ってそんなもんだからさ、あんたも気をつけなね〜。」
と言われても、今まで彼氏が出来た事もない私に言われても無関係なのだが…。
「今も昔も、恋愛関係ってそんな変わらないのね」とだけ言っておいた。
男関係が激しい姉2人と、全くない私。
たぶん私の男運は、全部姉に行ってるんだと思う。
★月★日は★★★の日!★★★の日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–