しんゆう
遠くのほうからやってきて/あなたとわたしは あるとき出会った。
密に接して時には涙し/笑いながら記憶をつくった。
気づけば少しずつズレた道は/ずいぶん遠くのほうに行っていて/そのことに気付いた時には/もう戻れないほど離れていたんだ。
帰りたいのか帰りたくないのか、線と線。
戻りたいのか戻りたくないのか、線と線。
X
エックス、バツ。
離れて行った線がいつかまた戻る事はあるんだろうか?
頑張って帰り道を探すかのように、後悔しながら戻るように、そんなんじゃなくて。
遠くのほうからやってきて/あなたとわたしが あるとき出会うみたいに。
無理せず、頑張らず、それでもまた、
密に接して時には涙し/笑いながら記憶をつくる。
そんな時があれば良いな。
離れて出会い、出逢っては離れて、無理せず頑張らず、それでも運命的に引き寄せられちゃうみたいな
そんな事が起きれば良いな。
Xのように、
Xを何個も縦に繋げるみたいに、
Xを縦に並べてみれば、
離れて出会って、出逢っては離れて、無理せず頑張らず運命的に。
それはまるで遺伝子の構造図のように。
ぐねぐねと揺らめきながら、ひねくれながら、ねじれながら。
★
そうして今気づいたことには/遺伝子の構造図って、交わってないんだと。
2つの線は一度も交わったことなんてなくて/交わってるように見えるだけだったことに。
エックスのように見えた交点は/平行な線が/偶然おんなじタイミングでひねくれて/目の錯覚で/交わったように見えただけだったことに。
離れては近づいて、近づいては離れて
ふたりはまっすぐ、ひねくれながら
恐らくきっと、一度も交わったことなど無いまま
ふたりはまっすぐ、ひねくれながら。
エックスのように見えた交点は/平行な線が偶然おんなじタイミングでひねくれて/目の錯覚で/交わったように見えただけだ、
ふたりはまっすぐ、ひねくれながら。
お互いまっすぐ、けれどひねくれながら。
交われないほんの少しの寂しさを感じながら
またあなたに出逢えれば良いと/宇宙のどこかで/願いながら。
End.