「おはようございまーす!」
「はーい!いつもありがとうございます。斎藤さん、こっちきて」
「おっ、新人さんですかあ?」
「そうなんです。今日から。斎藤さん、ここにサインして。荷物受け取ったことある?」
斎藤「あ、っはい、大丈夫です。……はい。」
「あざしたー!」
「はーい。」
斎藤「高瀬さん宛です」
「高瀬さんあて?誰から?」
斎藤「えー、あ。高瀬さん」
「ん?送り主は?それ宛先でしょ?」
斎藤「いえ、高瀬さんから高瀬さんです。」
「あっホントだ。家族?……まぁいいや、高瀬さんに渡してきて」
斎藤「はい。高瀬さん、荷物です〜」
高瀬「おう、どっから?住所は」
斎藤「えーと、東京?」
高瀬「兄さんだ」
斎藤「あ、お兄さんいるんですか」
高瀬「ん。スタイリストやってんだよ。ありがと。席戻っていいよ」
斎藤「へー。スタイリスト……。」
高瀬「そうそう、兄貴むかしからそーゆーの好きでね。」
「高瀬さん、お兄さん居たんですね〜」
高瀬「おー。兄貴はむかしからそーゆう……なんだ、芸能関係とか好きで。ミーハーっつうか。まあ俺もミーハーだけど。あっ、斎藤さん座っていいよ。ありがと。」
斎藤「あ、はい。」
「ミーハーなんですか?じゃあ芸能人のスタイリストとか?」
高瀬「うん。まあメインは雑誌とかな。」
「雑誌ってファッション雑誌ですか?」
高瀬「そうだよ。ホラ、これウチが送ったやつ。雑誌で着るから貸してくれってさ。」
「へー。じゃあ、お兄さんに影響されて服屋の通販やることにしたんですか?」
高瀬「んー、まあ、そんなとこかな。兄さんがスタイリストだから、俺が服屋やったら、イイカンジに売れそうだろ?」
「たしかに。」
斎藤「高瀬さん、お兄さんのこと好きなんですね」
高瀬「は?……あー、影響はされるよな。」
「……斎藤さん、あんまり図星ついちゃダメだよ」
斎藤「ダメですか」
「ダメだよ。ほら、高瀬さん照れちゃって仕事にならないじゃん」
斎藤「あ、やっぱり本当にそうなんですね」
「そうでしょ。」
高瀬「安藤!!遊んでねぇで検品おしえろ!」
安藤「はあ〜い」
斎藤「わ、すいません」
安藤「斎藤さんのせいじゃないから大丈夫だよ。」
「おはよう〜」
安藤「あ、おはようございます。斎藤さん、社長」
斎藤「あっおはようございます!斎藤です。よろしくお願いします。」
社長「はいはい。宜しく〜。」
高瀬「おはようございます。あ、これ帰ってきました。スタイリストの兄さんに送ってたやつ。」
社長「おー!着てもらえたって?」
高瀬「らしいです。まあ……、雑誌に載るかは解んないけど」
社長「お〜。良かった良かった。自慢の兄さんだもんなぁ。俺は妹しかいないから」
安藤「斎藤さん聞いた?やっぱ自慢のお兄さんだって。」
斎藤「あ〜、やっぱりー」
社長「ん?なに?どうかしたの?」
高瀬「おまえら!いーから仕事しろ!!」
安藤「はぁ〜い。」
End.