なにげなく見上げた時、黄色だった。歩行者用の信号と視線を戻すとまだ青。
ここは信号があるほどの大それた道じゃでは無い。
ほとんど車が通らない脇道。
小走りで横断歩道を通り抜けた。
人間って不思議なモンで、『ルール』があると安心したりする。
子供の頃に親から教え込まれて染みこんだルール。
『赤は止まれよ。』
誰に見られてる訳じゃ無いのに、真面目にソレを守っている自分。
誰も見てないこんな時に守ったからと言って、良いことなんて別にないんだけど。
今日も何とも無しに気分良く生きるには、コレが良い。
自分にとってはそれで良い。
空を見上げると、雨上がりの青い空が自分を見下ろしていた。
End.